2015-01-01から1年間の記事一覧

V-AECMO症例の予後予測アルゴリズムーSAVE scoreの意義ー

【背景】循環器領域で使用するECMOはPCPS (percutaneus cardiopulmonary system)という呼称のほうが一般的なようです。ただし正確にはV-A ECMOといいます。Veno-Atrial ECMOです。アクセスする血管でV-V ECMOなどもあるわけです。心肺停止の際、最終手段とし…

分岐部病変閉塞予測因子の検討 JACC 2013から。

Journal of the American College of Cardiology 2013;62:1654-9 【背景】PCI stentingにおいて病変から分岐している血管、いわゆる側枝 (side branch)の保護には毎回工夫を強いられます。過去のデータからmain branchの閉塞は予後に影響するが、side branch…

拡張型心不全に対するアルドステロン受容体拮抗薬の効果JAMA

【背景】心不全の50%以上を占める、拡張型心不全症例には一定の薬物投与内容が決定しておりませんでした。 【Reserch Questions】 ドイツとオーストリアから10施設、422人の拡張型心不全症例に対するアルドステロン受容体拮抗薬の効果を確かめることを目的と…

Angiotensin-Neprilysin inhibitrorー新規心不全治療薬 NEJM2014

ARB以来の心不全患者で予後を改善させる新薬の登場を示唆する論文です。ネプリライシンには、ナトリウム利尿ペプチド、ブラジキニン、アドレノメデュリンといった内因性血管作動性ペプチドを分解する作用があり、ネプリライシンの阻害により、これらの物質の…

FFR vs IVUS retropspective single center study, 2010年JACC interventionsから。

著者所属名にはソウルとカリフォルニアの施設名がありますが、著者は全員韓国人です。Methodのところにどこの患者が記載がありません。単施設、後ろ向き解析のように感じます。 【Research Question】IVUS > 4mm2カットオフ値は予後良好であることから確立…

iFRとFFR; ADISE studyから。

Am Heart J 2014;168:739-48 iFRの理念を打ち出したJustin DaviesをPIとした多国籍の方々によって検討された論文です。 【Reseach Question】 医師によってiFR, FFRの同時測定をする中で 1)FFRのカットオフ値0.8がiFRでどの程度の数値になるかを評価するこ…

Drug coating balloonのPROBE試験結果 Lancetから。

Lancet 2013; 381: 461–67 ドイツのグループからの報告です。 【Research Questions】 DES留置後の再狭窄病変に対して、DES再度留置、DCB対応、もしくはPOBA のいずれがよいか。 【研究デザイン】 PROBE法を用いてます。デバイスの選択は術者・患者ともわか…

偽膜性腸炎の診断

院内で抗菌薬の管理業務もしていますので、感染症診療にも興味をもって診療しております。院内感染の問題としても注目される偽膜性腸炎; clostridium defficile infectionの簡易・迅速診断法として便中白血球の有用性を調べております。 その観点でJAMAのSys…

プラスグレルとクロピドグレル

新規抗血小板剤であるプラスグレル(エフィエント)が販売されました。2年前に参加した日本循環器学会で久しぶりにPositive resulutが得られた素晴らしい大規模臨床研究だと紹介されていました。 著者はBringham Medical Women's Hospitalのチームが主体で…