2014-01-01から1年間の記事一覧

日本人女性におけるpravastatinの有効性

Circulation 2008;117:494-502 【私見】知り合いの先生からご質問をいただきました。そのため文献を調べてみました。 患者様は50歳代女性(閉経済み)。既往歴なし。家族歴は母親が高コレステロール血症。心臓病なし。健康診断を当院でお受けになりました…

GRACE score のACS疑いを含めた予後精度

Am J Cardiol 2013; 111:202-207 【目的】急性冠症候群 (ACS)の診断は、詳細な問診・心電図やバイオマーカーなどの検査を用いても依然難しいものです。本論文では確定的ACSに比し、ACS疑いの症例に対する治療を含めたアプローチで予後に影響を及ぼしていない…

GRACE score

Arch Intern Med 2003; 163: 2345-2353 【私見】 現時点で知られている急性冠症候群の予後予測スコアにGRACE score, PERSUIDE score, TIMI scoreがあります。中でも最も予測性能が高いと考えられるGRACE scoreの論文です。STEMI郡ではprimary PCI; 16.1%, el…

拡張型心筋症における予後因子としての心筋MRIの位置づけ

Gulati A et al, JAMA 2013 vol 309, No.9 896-908 【私見】 拡張型心筋症 (DCM)は2500人に1人の割合でみられる心筋障害で心不全や突然死の原因になりうるため治療できうる不整脈に対する処置、つまりICD (implantable cardiac defibliration)をいつ植え込む…

New oral anticoagulant (NOAC) のレビュー

Thromb Haemost 2014; 111: 798-807 【私見】 70歳未満であればワーファリンよりもNOAC(Edoxaban 60mg/dayの場合。30mg/dayは該当せず)のほうが経済的観念以外の点で優れていることは明白です。脳出血がこれだけ抑えられている理由にはXaのみ、thrombin…

高感度トロポニンTの使用法

Arch Intern Med. 2012;172(16):1211-1218. 私見;高感度トロポニンT (hsTnT)がNEJMにその診断効率の高さ(ROC解析)が報告されたが、現場ではまだその使用法に浸透性を感じません。本論文は現場でどのように使用するか一つのヒントになる研究です。 【背景】…

腎不全とTroponin T

Troponin T levels in patients with ACS with or without renal dysfunction NEJM 2002; 346:2047-52 Aviles RJ et.al 背景; GUSTO IV trial のデータベースを利用した前向き観察研究。GP IIB/IIIa inhibitorを用いたdouble blind randomaized studyでエン…